さくペラ

さくっとぺらいちというサイトのつづき

岸辺露伴動きまくり

ジャンプスクエア2号の「岸辺露伴は動かない/六壁坂」、そして乙一さんの「The Book」と、岸辺露伴出ずっぱりとなったここ最近。両方とも今日読了したので感想を書いていこうかなと思います。ネタばれ含んでいるので読みたくない人は読んじゃだめですよ。
















岸辺露伴は動かない/六壁坂
舞台は2007年なので、もう露伴も27歳ですよ。
この話はなんだか蟲師のような感じがしました。露伴は妖怪六壁坂と名付けてましたが、蟲師的には人間の弱みに付け込んで子孫を残す擬態化した蟲となるのかなあ。そういえばあの話に似てますよね。子供の茸の話に。
というか露伴、山買ったり、取材したり、妖怪に襲われたりとまあ精力的に動いてますw

■The Book
乙一さんの小説ははじめて読みました。5年も書き直し続けてやっと日の目を見たこの作品、かなり練られた構成になっています。

●ストーリーとは関係なく興味を持った点
・ストーリーよりも会話の方が前にきている場合がある。
キャラクターの中だけで勝手に話が進行してしまっていて、読者には後から事実を伝えるという手法ははじめて見たかも。織笠花恵の死体を発見した下りの部分。読み飛ばしたかと思っちゃいましたw
この手法は、蓮見琢馬のスタンドがどんな攻撃をしたのか、最初読者に想像させて、あとから理解させるというところで効果的に使ってますね。
・複数のエピソードが同時進行。まあ、LOSTみたいに。あと同じストーリーに戻った際、前の話の内容を咀嚼して反復してくれるので読みやすい点も○。
村上春樹の影響を受けてる?かなあと思う節が。図書館が舞台になるところとか。路地裏とか猫とか。舞台装置が凄く似てます。

●ストーリーについて
TheBookというスタンドが、なんだか攻殻の外部記憶装置みたいだなと思った。蓮見琢馬は瞬間記憶能力者なんだけど、外部記憶装置が一般化したら彼と同じようなライフスタイルに変貌するのかなあと思いました。
あとデスノートに似てるなあと思いました。使い方は全然違うけども。
またこちらでも岸辺露伴は大活躍。事件の糸口や犯人につながる情報をヘブンズドアで入手。
あと急に現実に戻る部分があったのは笑った。仗助の命の恩人である「彼」が実は自分自身なのではないか?というくだり。それがあとで蓮見琢馬の口を借りて仗助に問いかけるというのも、面白かった。