さくペラ

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モバイルwebブラウザの変遷まとめ

i-modeの場合

i-modeNetFrontという日本純正のモバイルブラウザを改造してできたものです。少ない1ページあたりの容量で表現を高めるために、絵文字を外字として割り当てている点が特徴的です。
言語はCompactHTML(chtml)という、HTMLのサブセットのような言語を独自に拡張したもので記述します。chtmlベースのi-modeはMOVA端末に搭載されていきました。

この当時の話が語られてる以下の記事が興味深いです。CompactHTMLは日本初でW3Cの仕様となった規格になります。

参考:5年先を見据えた携帯ブラウザー ACCESS鎌田社長 iモード10歳の肖像(3) :日本経済新聞

やがてFOMAというシリーズがリリースされます。それまでのPDC端末ではなく、GSM互換の高速規格W-CDMAに対応したシリーズです。これらの端末には進化したNetFrontをベースとしたi-modeブラウザが搭載され、従来のchtmlの他、i-mode xhtmlに対応しました。

当初のi-mode xhtmlはMOVA全盛であまり利用されなかったですが、3キャリア1ソースというコーディング方法が注目され現在に至ります。
また、最近になってi-modeブラウザがv2.0にアップしました。クッキーやJavaScriptなどに対応し、ますます表現力が豊かになってきています。

EZwebの場合

EZwebは、当初海外での統一規格WAPをベースにしたモバイルweb言語HDML(wap1.1)をサポートしていましたが、従来のHTMLとは異なるマークアップ言語で敷居が高かった事は否めません。

ブラウザはOpenwaveというものを使用していました。Openwaveのブラウザ部門は2008年にPurple Labs(現Myriad)に売却され名前が変わっちゃいましたが、中身は変わっていません 
auやTu-KacdmaOne端末はOpenwave3.0だったため、HDML(wap1.1)で制作しなくてはならなかったですが、比較的早く3G規格であるCDMA1Xが導入されたため、環境が一変します。
CDMA1XのOpenwave v6.0はWAP1.3にXHTML Mobile Profileの規格を融合させたWAP2.0に対応していたからです。

CDMA1X以降、一貫してau端末はWAP2.0に対応していて、進化をつづけています。
ただ、3.5Gといわれる高速通信規格CDMA 1X WIN対応機種がリリースされた時はブラウザ自体をリプレースすることはありませんでした。
大きく変わったのは、BREW4.0を搭載したKCP+端末からです。そのタイミングで、v7.2と呼ばれるバージョンになり、タグの解釈が大きく変わりました。

参考:auのezwebブラウザver7.2対応のイロハ | 株式会社シンメトリック公式ブログ - 携帯開発から生まれる技術情報

ただ、Myriadブラウザv7の仕様と比較すると、相当機能を削って実装しているようです。

参考:
Untitled Page

Yahoo!ケータイの場合

おそらく、一番変化してしまったのは昔はJSkyと呼ばれた、今でいうYahoo!ケータイでしょう。
当初は1ページ辺りの容量を減らすために、MMLというJSkyHTMLを短縮形で記述する言語を用いてましたが、JSkyHTMLと完全互換があるため、機種の容量が増えるに連れ使われなくなりました。
J-Phoneもdocomoと同様PDC端末で、日本独自規格。ブラウザも独自のブラウザで癖があるものでした。(例えば、画像とテキストをaタグで囲むとバラバラにフォーカスがあたるとか…)

その後、J-phonevodafoneになると、JSkyはVodafoneLiveと名前を変えましたが、変わった当初はj-Phoneのリソースを引き継いでました。
ですが、W-CDMAに対応したVodafone Global Standardという中途半端な海外端末を経て、Vodafone3Gがリリースされます。

Vodafone3Gになると、ブラウザはopenwaveベースのものに代わり、xhtmlにも対応するようになりました。ただ、Vodafonexhtmlxhtml basicと呼ばれる基本的なタグのサポートにとどまったもので、ブラウザは同じでもauのxhtmlとは異なるものです。

さらに、ボーダフォンが変に海外戦略をとったため、モトローラの独自ブラウザとか、ノキアシンビアンベースのnetfrontとか、Obigo Browserとか、機種によってモバイルブラウザが異なるという自体になりました。
そのような中、日本の端末はNetfrontに移行するようになり、その後、VodafoneSoftbankに買収され、Yahoo!ケータイになると3GC2という世代になり、docomoと同じくNetFrontベースのブラウザが採用されるようになりました。

最近では、945SHと944SHにSoftbankブラウザ2.0を搭載していて、iモードブラウザ2.0のようにJavaScriptが使えるようになっています。

参考:945SHはSoftBank2.0 - Kimura.Memo
仕様はMobileCreationで:ページが見つかりません

※おまけ
じつはソフトバンクケータイは3GC2の頃からJavaScriptが使えるらしいです。スクリプト不具合があったときのお知らせページに、リストが出ています。

参考:ブラウザのセキュリティ設定に関する重要なお知らせ(7月2日更新) | SoftBank

まとめ

■docomoのブラウザ

ノキアのみシンビアンベースのNetFront

※一部機能制限したiモードブラウザ2.0LEというものもある

■auのブラウザ

  • Openwave v3:au cdmaOne ※サービス終了
  • Openwave v6(6.0、6.2):au CDMA1X/WIN(KCP)
  • Myriad Browser(旧Openwave) v7(7.2):au CDMA 1X WIN(KCP+/BREW4.0)

softbankのブラウザ

  • JSky(J-Phone v1〜3):C型 ※サービス終了
  • JSky(J-Phone v4):P型 ※サービス終了
  • JSky(J-Phone v5〜):W型 ※サービス終了
  • Openwaveベース:Vodafone 3G(3GC)

※ObigoBrowser、その他海外のブラウザ搭載ケータイも当時リリースされた。独自タグ等の解釈は異なると思われる。

※3GCのNetfrontもある