さくペラ

さくっとぺらいちというサイトのつづき

発想のマッシュアップ

自分、情報設計という職についているのですが、当たり前なことしか提案してない自分にうんざりしてました。情報を整理するとか、使いやすい導線を張るとか、グルーピングとか、ラベリングとか、そんなものは普通の人にだってそうすれば良くなるんだろうなあ、と思えるものなのです。
ただ、最近になってようやくその一歩先へ行くための「発想」について、手がかりをつかみました。

とある提案書(というか前日のブレインストーミングを小一時間で紙にまとめたもの)を途中まで作りかけていたのですが、その後風邪でダウンしてしまい、同僚に後を引き継いでもらうことになりました。
そして翌日でき上がったものを見たのですが、思いもよらないコンポーネントがワイヤーに収まっていたのです。

それを見て、自分のwebに対する見方がいかに貧弱なものに成り下がっていたのかを思い知らされました。

おいらはSE時代から長らくwebを制作する側にいたので、「最新技術をどうコンテンツに落とすか」、「新しい機能をどう使うか」みたいな、技術ありきでの思考が染み付いていました。
どうしても新技術、新コンポーネントを使うという所までしか、発想としてまとまらなかったので、おいらの作るコンテンツはちょっと時間が経って、周りに追いつかれるとありふれたものになってしまうものばかりでした。

そうこうしているうちに、様々な制約に縛られて、自由なアイディアが出にくくなってしまいました。そういう意味で、自分が考えるwebの姿というのは貧弱になってしまい、webの可能性を否定する側に回っていました。

でも、そのワイヤーを見て思いました。webって他のメディアにはなかなかできないことができるんだよなということを改めて思い知らされましたね。

その提案書の主な主題はユーザーに「安心感」を訴求して敷居を下げること、でした。それは明らかでした。
その目的を達成するために、おいらはflashでの解説ムービーや、テキストコンテンツでのフォローアップという当たり前なラインでまとめようとしてました。

しかし、そのワイヤーには「時計」のガジェットがすっぽり収まっていたんです。
確かに時間を知ることができれば「安心感」に繋がるのです。
「安心感」と言うキーワードから、人はどういうものを見たとき、知ったときに「安心する」のか?というマクロ視点から入ってきたガジェットでした。

まさに、この辺りは認知心理学な感じなのですが、時間が分からないと不安になる、ではお知らせしましょうという視点。そういった感覚のマッシュアップがおいらには必要なのだなあと思いました。

それに、テキストメディアに時計というガジェットを組み合わせるなんて、紙メディアにはできないことです。web
らしいなあと。flashはこういう風に使うべきだと思いました。
ちょっとwebって良いかもと思いました。

学ぶべきことは多いですね。人間の感覚を相手にする商売ですから。